NIPPONIA 鞆 港町のフロント棟「cafe & shop 肥後屋」にて、地域で製造する柿渋「備後渋」のお取り扱いをはじめました。

備後渋とは、備後地方で生産された柿渋であり、備後はかつて京都山城、岐阜美濃と並ぶ柿渋の日本三大名産地の一つでした。柿渋は天然の塗料・染料であり、青い渋柿を砕いて絞り発酵させた液体で、柱や床、船具の防腐や防水、防虫に効果があると言われています。かつては暮らしの必需品であった柿渋は、戦後、化学製品の登場とともに姿を消していきましたが、近年では、消臭・殺菌効果も期待され、その価値が見直されています。

この地域には、最盛期に200社余りの柿渋屋があったといわれており、時代の流れにより次々とその姿を消していきました。備後地域で操業を続けていた最後の柿渋工場の閉鎖を聞き、ぬまくま民家を大切にする会は工場を譲り受け「備後渋 柿渋工場」として操業を開始。“古民家は磨けば光る宝物であり、美しい日本の暮らしを次世代へ”という思いを持ち活動されている「ぬまくま民家を大切にする会」様とご縁をいただき、cafe & shop肥後屋でも柿渋を販売させていただくことになりました。

当施設が掲げ実践するミッション「古民家の活用を通して地域の暮らしや地域産業を次世代へと繋げていく」活動を、備後渋の販売・紹介を通して、次世代にこの土地の産業を継承する一役になれば嬉しく思います。


備後渋について

備後渋「柿渋」内容量 400ml / 400円(税込)
<使い方>
木材に使用の場合、刷毛で原液を塗り、すぐ布で拭いてよくすりこむ。乾いたら色が消える為、3回位、塗る作業を繰り返し、数日から数週間で良い色がでてきます。
布を染める場合は、布地を水洗いし、原液に5分ほど浸して軽く絞って干すと日光で徐々に発色していきます。


cafe & shop 肥後屋

鯛味噌や生海苔佃煮他、家守(いえもり)が選んだこだわりの商品を販売しています。
営業時間:10時~16時 / 金曜日~月曜日 *都合により臨時休業あり
定休日:火曜日、水曜日、木曜日
広島県福山市鞆町鞆595(NIPPONIA 鞆 港町 フロント内)
オンラインストア https://tomo-higoya.stores.jp/


特定非営利活動法人ぬまくま民家を大切にする会

ぬまくま民家を大切にする会は、1996年に日本民俗建築学会が沼隈町の横倉地区(平家谷)を中心に古民家の調査を実施するにあたり、これに同行し協力していくうちに、民家の保存活動に対する意識が高まり、団体を結成、2006年よりNPO法人として活動を展開。